中村:大量生産が当たり前の世の中で、
衣服がどこから来てどう消費されていくかということが忘れられています。
むろき:はい、仰る通りです。自分がよりよく生きていくためにどういった繋がりを豊かにしていくことが大切なのかを
キーワードにした時に、やはり、衣食住は欠かせないですよね。衣食住って“衣”が先に来ますよね。
中村:そうなんですよ!“衣”が先に来るんですよ!
むろき:食べることも住むところも大切だけど、それ以上に“衣”が重要であることに気がついていない。
中村:まさにその通りなんですよね。
むろき:衣服は昔、天然の素材のものに、茜だったり藍だったりといった天然なもので染めていましたけど、
それはお薬と同じ効果があったと言われています。
中村:だから現在でも服用とかいう言葉を通して存在していますよね。
むろき:毎日服を纏っていることの重要性、衣服だけでなく食べ物のそうですが、簡単に、
安くといったものの方が手に入りやすいというか価値があるという風に捉えれてられている
世の中になって来てしまっていて、
それが残念というか恐ろしいというか。
中村:そうですね。
むろき:衣服でも、たくさん作られてたくさん破棄されているのが実情です。
中村:本当にそうですよ、アパレル業界は。
むろき:一つ一つ関係性のなかで丁寧に作っていけるということのもたらす心の豊かさというのは
測り知れないと思います。
中村:そのお考えは本当に嬉しいですね。まさに弊社でやっていることは大量生産でなくて、
製造元から販売まで自分たちで
管理しているので、30枚でも生地の手配しに行く人、裁断する人が、型紙を作る
人という分業で関わりを持ってやっていて、中身は見えないけど商品が出来上がっています。
そういうストーリーがあって物が出来上がっています。
今村:僕たちがいつもオーダーするのは本当に数が少ないのですが、
そういった状況でも毎回作って頂けて本当に有難いと思っています。
中村:弊社は小さいながらもそういった仕組みを作っています。
持続可能なあり方・やり方というか、ただ売れれば
良いというのではなくて、伝え続けるという意味では地味ですがずっと続けている感じです。
自分たちでミシンも持って、何かあれば自分たちで作れる体制を取っていますし、
シルクスクリーンも自分たちでできる環境を作っています。
100%は自分たちだけで出来ないこともあるので、人に委託したりして関わりを持ちながら作っています。
衣食住の“衣”に関わっている以上はやり続けていたいなと思っています。
こいうご縁でTIDE POOLさんのTシャツやシャツを作らせて頂きました。