中村 浩一/ 有限会社プットイットオン 代表
1965年東京生まれ 中学生時代にサーフィンと出逢い人生の軸が自然と調和した生き方へ,その後好きな

ファッションの道へデザイナーズブランド・イタリアブランドの経験を経て結婚・子供ができたことから

波乗り・仕事・家族共にバランス良い生き方を見つけたく1995年に独立、子供服を通じて長期的に多くの

家族に関わり、保育園の制服スポーツウェアなど服を通じた豊かさを提供している。そのかたわら、

人生をよりよく自分らしい生き方へ向けて行動心理学を学びコーチング、コンサルティングも行っている。

「NPO法人もあなキッズ自然楽校」についての経緯から聞かせてください

中村:せっきー、今日はよろしくお願い致します。

セッキー:ハイ、こちらこそ。今日はよろしくお願い致します。 以前ニュージーランドに住んでいて。当時、国立公園で仕事をしていて、とてもよい国だし、永住するという 権利をもっていたので、永住するという選択しもあったのですが、自分が日本人だというアイデンティを感じて いたのと、当時の日本のニュースを観ていて、日本の社会状況というのが、なかなか厳しい状況だなと思いつつ、 自分はゆるりと暮らしていたのですが、段々と、生きるって誰かのために何かをするっていうことで自分が 生きていると感じるようになりました

中村:自然のなかに身を置くと心が満たされ、自然と調和し自分が満たされていればいるほど自分の内側から 純粋に溢れ出てくる瞬間がありますね。僕は波乗りや山の中でそれを感じます.

撮影:Reborn House中野 順

セッキー:時間もたっぷりあったので、そういう事を考える時間が増えました。ニュージーランドでは大自然を 相手に仕事していたのですが、段々と子どもたちのために何かできないかなと思うようになりました。

中村:子どもたちというのはインスピレーションで出てきたのかとは思いますが、そのきっかけは何だったのですか?

 

関山:何でしょうね。レイチェル カーソンの話をよくするのですが、 未来を考えた時に、僕らの時代で色々な事をやっても、明るい世の中を見るというのは無理なのではないかと思っていて、決してそれはネガティブな意味ではなくて、石油を見ても200年くらいかけて枯渇ていて、僕が生きている間は天地がひっくり返るようなことはないと 思っています。としたら、未来をよくしていこうという意味では、

自分が生きている間に何かを達成できなくても、その先に何かを繋ぐみたいな事をすることが大事かなと 思っています。パタゴニアで働いていた時は、環境のことに触れて色々な事を学びました。僕のなかで環境と 子どもたちというのはものすごくリンクしていました。

註釈:レイチェル・ルイーズ・カーソンは、アメリカ合衆国のペンシルベニア州に生まれ、1960年代に 環境問題を告発した生物学者。アメリカ内務省魚類野生生物局の水産生物学者として自然科学を研究した。

中村:そういうことですね。もっと掘り下げて聞いてみたいのですが、パタゴニア、ニュージーランド、 レイチェル カーソンとの出逢いの前、つまり、学生時代や幼少期にそういった思いが出来るきっかけみたいなものがあったのですか。

関山:あったのですかね。ただ、今と比べると僕たちの子どもの頃とでは圧倒的に違いますよね。

ニュージーランドから、日本に帰って来てとてもショックだったのが、小学生の放課後が学校のなかで完結 されていることでした。それが一番の衝撃でした。

中村:それが衝撃で、子どもたちを思うようになったのですね。

関山:そうですね。帰って来て住んだ場所には友達は一人も 居なかったですけど、そこに置かれている状況が驚きでした。 僕は川崎出身なのですが、当時駅の隣は田んぼで、僕の家の隣は 梨畑で、そして裏山があって、川崎といっても本当に田舎と 変わらない環境でした。現在は昔の姿はもうないですが。

中村:ご自分が育った環境とだいぶギャップがあったのですね。

関山:そうですね。今の子どもたちは、探せば自然がまだある にも関わらず、教室の中だったり、遊具も何もない校庭の中で 遊んだりしています。それを大人が容認しています。

子どもはカナリアではないので、鳥かごに入れてしまうというような行為はあり得ないと思いました。 ニュージーランドから帰国した際は、ビザもまだ残っていたので、戻ろうかなという選択肢もあったのですが、 この状況を見て、日本で何かをやる意味があるなと思い、やるだけやってみようという気持ちになりました。 近所のおじさん、おばさんに怒られることもなくなりましたよね。昔は余計なお節介がたくさんありました。 そういうものが無くなっていくなかで、僕に何か出来るかを考えました。 僕はどちらかというとフレームアウトしている人間なので、フレームアウトしている子どもたちが自然と寄ってくるようになりました。

中村:変わった大人だなって(笑)

関山:そうです、そうです(笑)お陰様でもうあれから14年です。

中村:立ち上げて14年どんな変化ありましたか?

関山:後ろ見ることなくやって来ました。一番嬉しかったのは、 子どもたちの為にこうしようとか、こうした方が子どもたちに とって良いと思うので、一緒に仕事しましょうと熱意を持って 話すと、中村さんのように、それに共感をもってくれる人が居た ということですね。駆け出しの頃に中村さんに、こういうことを したいって話したら、園の帽子を作って頂いたり、 トートバックも作って頂いたのですが、数はないにも関わらず、 快く、いいよって言って頂いて。それから、知り合いの方を紹介 して頂いて、机や椅子も揃えることができて、 ものすごくラッキーだったと言うか、

そういうご縁が繋がっていって今になるのでとても 感謝しています。 良い悪いではなく、お互いにビビッと来て繋がっていくと言う感じがしましたね。

衣・食・住の「衣」についてどのように捉えていたり思いなどありますか?

中村:少し話を衣のことについての思いなど聞きたいのですが

関山:衣料も大量生産の時代になって、どんどん価値が下がって来ていますが、もう一度意味をもたせて、 持続可能なものを作って行きたいですよね。今、森の幼稚園というのをやっているのですが、まだ少数派で

特別だと思われているのですが、それが当たり前になる世の中になると良いなと思っています。

衣に関するストーリーというのは、今の日本では本当に無くなっていて。

僕もパタゴニアに居て、衣に 関わっていたので、それはとても残念です。

中村さんとお逢いしてまたそれを思い出させてくれました。

工場のラインの話から衣服が出来るまでの手間のストーリーだったりを聞かせてもらい、より一層衣というものの大切さを中村さんと伝えて行きたいなと思いました。

子供たちに衣のストーリーを伝える:

中村:ありがとうございます。

衣食住の中で、食の部分では現在、オーガニックの食材を使った食育をされて いますね。

また住という部分では木育ということで持続可能な教育をされていますよね。まだ、衣に関しては

まだ難しい部分がありますよね。衣に関しての考えをもっともってもらうということはすごく大切だと思って います。

以前、関山さんのところの子ども達にワークショップとしてエコバックを作るという体験を2回に

分けてしてもらいました。実際にミシンを使ってもらったけど、見たことがないから、これがミシンだって、 驚いたり、

ミシンはこうやって使うんだとか、2回目はあえて壊していく作業をして

自分で直したりデザイン したりというのを体験してもらいました。

もあなの子供達と衣のワークショップ・シーチングで作ったレジ袋

関山:そうなのです。

感じてもらうことってとても大切なのです。外で遊んだり、物作りだったり、感じると いうことが大切です。

世の中的にはバーチャルのことが多い。意味をもたせて、感じてもらう。この世の中は 合理的な社会。

手を出すと水が出てくるといった合理的化されて便利な世の中で、子どもたちは蛇口をひねる という行為を知らない。

合理化は意味を失くす。意味をもつということを教育だったり、普段の生活で お父さんとお母さんも考えて、どんどん意味のもたない世の中にしていっていることに気がついていかないと、 これからの子どもたちの社会がますます良くなっていかないのではないかと危惧しています。

じゃあ、どうやってやるのかって言ったら、子どもたちを自然のなかで遊ばせることが大切です。

そこに居るだけで、自分たちで学べるのです。

子どもたちはそういう力をもっていて、ゼロベースで一見何も ないような自然のなかで感じることができるというのは、

今やっている活動のなかで主張することはものすごく 大事なことだと思っています。

中村:とても共感します。まさしく自然との調和です。

多くの子供たちと関わり衣食住に関して提案も行なっていて、

オーガニックの食材、木育、オーガニックコットンなど、かなり環境などに 気をつけていますが、

その大元など聞かせて頂けたらと思います。

関山:木育や食育も、色々な取り組みがあると思いますが、キーワードになるのが、物語だと思います。

木育に関しては、木を切っている林業の方がいて、それを加工する人がいて、かつそれをテーブルや椅子にして くれる人がいます。

そしてそれを僕らが使わせてもらっています。

食育も、野菜がどうやって作られて、給食を作ってくれているスタッフの物語があります。

衣にしても、綿農家の人がいて、それをデザインする人がいて、 それを形にする人がいるわけですよね。そう言った物語の部分をもっと抽出していかなければならないなと 思っています。

中村:そういう風に考えてもらえるだけでありがたいなと思います。

現在の衣の世界はどうしても大量にという 傾向があります。それは人々の意識の流れとしては仕方のないことなのですが、

あまり深く考えないで売られているものが多いのは事実ですよね。

それだけだと、これからの時代はものの大事さが分からなくなって行きますよね。 もののストーリーを考えられるゆとりのある豊かさを持った人は減ってきているように感じます。

自然というキーワードが出て来ていますが、

子どもや大人にとって自然は何が大事なのだと思いますか?

関山:ニュージーランドの国立公園で働いていた時に、それはもの凄いスケールの大自然で、それこそ何千万年前から 変わってない世界を体験した時に、人間はというと地球の歴史で考えた時に、本当に点のような存在だということを 肌で感じました。

自然と対峙させてもらって生かさせてもらっていると思いました。

中村:実はあたりまえなんですが全てのものは自然からの成り立ちですからね。自然に生かされていると感じますよね。それを深く知るには自然のなかに入ることで感じますから。

関山:自然のなかに居ると、大人や子どもというよりも、人間というくくりで見られるというのがありますよね。 人間として見るというのはとても大事な気がします。

でも、現在は人間が自然に圧力をかけてしまっている状態 なのです。

これから先は、人間として自然と共存して生きていく事が重要な気がします。

弊社にご依頼いただいていますが、何が他と違うところだと思いますか?

関山:一つはオーガニックを扱っていらっしゃったのと、もう一つは僕らみたいな小さな組織に、本当に数個や 数十個単位で作って頂くことに関して二つ返事で了承頂けた事が大きいですね。

僕もアパレルの世界に居たので、 在庫を抱える事の負担は、最低ロットの注文などがあるのが当たり前のなかで、本当に有り難かったです。

このことに関しては、今でもスタッフには、凄い事なのだよって言っています。 当初は本当に、30個でいいのですか?みたいな思いでしたけど、中村さんは、いいよ、いいよと快く 仰ってくださいました。

アパレル業界では在庫を抱えるという課題がありますが、これからは、 御社のように必要な分だけを必要なだけ作るという時代にしていかないといけないと思います。

中村:ありがとうございます。今が完璧だとは思っていないので、更にコミュニケーションを取っていきながら、 更に良いものを一緒に作っていけたらいいですね

関山:そうですね。

関山:現在の世の中は、物というのは貨幣価値で評価されています。御社に作って頂いた帽子のお話しをしましたが、 誰がどのようにどのような思いで作った、といったストーリー性のある物というのは、プライスレスだと思います。 赤白帽のような使い捨てのものではなく、ストーリー性をもって大切に使っていくことは非常に大切な教育だと 思います。大量生産の世の中でまだ先のことかも知れませんが、これからは物語をもった意味のあるものが 売れていく時代になっていくと思います。そういう意味でも僕らが今、御社とご一緒してものを作っているという ことはとても意味のあることのように思います。

中村:その通りだと思います。かつ長期的な関係性や物作りは大切にしていきたいと思っています。そのような 関係性のなかで、コミュニケーションを取っていきながら、より良いものを作って行きたいと思っています。

関山さんの意見や先生、父母からの声なども含めてあれば教えてください。

関山:帽子に関しては、最初のデザインから一緒に制作させて頂きました。最高のデザインが出来上がったと 思っています。子どもたちの帽子にはそれぞれ自分たちの好きなパッチが付いていますが、それは、子どもたちの アイデンティティになっています。例えば、お母さんがリンゴのパッチを付けてくれれば、子どもはそれを物凄く 大事に使いますし、たくさん帽子があるなかで、自分の帽子を見つけるのも簡単なのですね。 長い子でいうと、4、5年使っていたり、さらに兄弟で愛用していることもあります。帽子に心が篭ったというか、 宗教じみた言い方かも知れませんが、魂が篭って次の世代に継がれている気がします。親御さんももの凄く思い 入れがあって、写真を取っておくように、ずっと大事に取っておいていけるような帽子な気がしますね。

中村:作り手としては最高な事ですね。

今後の展開などあればお聞かせください。

関山:衣の物語について紡いでいくみたいなことを今後も出来ると良いなと思います。行く末は、東京でも 横浜でもどこでも良いのですが、大きめのオーガニックコットン畑を作るというプロジェクトをやりたいなと思います。

中村:一時そういう話を一緒にしていましたよね。

関山:はい。そろそろ実現していかないといけないと思いまして。

大きめのコットン畑を作って、子どもたちの ハンドタオルをそこで全部完結できるぐらいのレベルのものを作ってみたいです。その時は是非、

中村さんのお力 も貸して頂けると嬉しいです。

中村:もちろんです。

今日はどうもありがとうございます。

関山:こちらこそどうもありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。